COMMENT

絶賛コメント、続々到着!

※順不同・敬称略

生活力もなく、
金の無心ばかりする愚かな息子ですが、 一所懸命に生きています。
よろしくお願い申し上げます。

鈴木敏夫(スタジオジブリ)

「東北の雪の曠野を走る素晴らしい快遊船だ!」

賢治が死ぬ前に出版した本は実は『注文の多い料理店』と『春と修羅』だけ。1000冊ほどをほぼ自費出版するも、ほとんど売れ残ったらしい。だいぶ負け犬な感じなのに、広告文句はなぜかやたらハイテンションで元気が出る。

世間には相手にされず、隣に座る妹に語り聞かせ、妹亡きあとは父と身を寄せ合う。賢治のひ弱な生き様は、個人的なことこそ創造的であることを教えてくれる。

成田 悠輔(経済学者)

人が持つ表現というかけがえのない能力から生みだされる絵画、音楽、文学、建築などの作品。芸術は素晴らしく、私たちは計り知れない恩恵を作品から受けているが、歴史を振りかえりみると突出した才能ゆえにすぐには真価が世に認められなかった芸術家もいて、賢治もそのひとりではないか。自然界と気を交わすこともできたと思えるほど繊細な感性を持ち、自分がいる今を見つめ悩みつつ懸命に生きた賢治の生きざまと、その賢治を支えた父親、家族のありようがさりげなく、しかし声高でなく描きつくされている。

藤原真理(チェリスト)

この父がいなければ、「宮沢賢治」は存在しなかった。夢見がちで何をやっても続かない息子に悩まされ、それでも成長を願い、味方であり続けた政次郎。子とは、その才能を開花させるため、人類全体から預かった贈り物なのかもしれない。

暁方ミセイ(詩人)

物書き賢治は共感覚の持ち主、それを表すことは至難の業です。しかし無垢でひたむきな賢治はそれに臨んだ。そして父も妹も家族みんなでそれを支えた。地域の絆、家族の絆が五常の徳と崇められていた時代の話である。それらは紛れもなく岩手の美しい自然が生んだものだ。賢治の共感能力による表現の営みがこの映画によってトランスレーションされたと言っていいだろう。

村上弘明(俳優)

観終わった後、
今は亡き父に、無性に会いたくなった。
離れて暮らす、母に直ぐにでも会いに行きたいと思った。
時に喧嘩し甘えていた、兄と話したくなった。
家族だからこその、それぞれが持つ不器用にも深い愛情。
全身で感じ涙した映画でした。

有森裕子(元プロマラソンランナー)

故郷岩手県の生んだ詩人で作家の宮沢賢治。どの作品にも深い「愛」が感じられますが、彼を終生、無償の愛で支え続けた父、政次郎の存在がなければ、素晴らしい作品の数々は生まれなかったかもしれません。
いつでも全力で賢治を応援し、命をかけて賢治を守り抜いた、父としての姿そのものが、ひとつの作品と呼べるかもしれません。
賢治と政次郎の「絆」を通して、改めて人間というものの素晴らしさを感じていただければと思います。

小沢一郎(衆議院議員)

賢治と同じ花巻に生まれ、
賢治と同じ変わり者扱いされ、
賢治と同じ最愛の人を亡くし、
去年他界した父と母、5年前に他界した兄。
勝手に宮沢家と三又家をシンクロさせて、涙が止まりませんでした。
究極の家族愛。
素晴らしい映画です。
月並みですが。

三又又三(芸人)

親の望み通りに生きるのは難しいけれど、子の生き様を見守るのはもっと難しいのかもしれない。百年前の岩手の蒼く澄んだ大気の底の、そのどちらも出来なかった巨人と、どちらもやってのけた巨人の物語でした。

こうの史代(漫画家)

厳格だが妙に隙のある父でありすぎる父の存在。生き方がよく分からず周囲を振り回し続ける賢治が、あの独自の魅力ある作品を生み出せた秘密はここにあったのだ。兄の物語を楽しみにする妹トシの賢明さに比べて息子を認めようとしながらどこかちぐはぐな父、これまで描かれたことのない心惹かれる父子関係だ。死の床にある賢治の清拭の桶を「あの子の母親です」と静かに言って父に渡させる母の真の強さも印象的だ。

中村桂子(JT生命誌研究館名誉館長)

大した力もないのに世界を救いたい厨二病のニート宮沢賢治にシンパシーを感じてしまい、何者でもない10代の私が「雨ニモマケズ」に感化された理由がやっとわかりました。
実に新しい魅力的な賢治です。
裕福で激甘過保護なお父さんが「父」なら、妹のトシさんが「銀河鉄道の母」なのだろうなあ。
みんなの幸せのためなら僕のからだなんか百ぺん灼いてもかまわない。いつまでもそう言える者でありたい。

しゅはまはるみ(女優)