映画『銀河鉄道の父』最新情報

2022.12.15
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キャスト・監督・原作者からのコメント

役所広司
『原作に、宮沢賢治の父政次郎のことを「厳格だが、妙に隙だらけの父親だ」というような一文があり、これを手がかりに息子であり、作家宮沢賢治の大ファンの男を演じてゆこうと思いました。
また、この人物を作り上げる為に「花巻弁」を聞き取れるギリギリまで攻めてゆけば強力な武器になると信じ頑張りました。
成島組に集まったスタッフ、キャスト、素晴らしいチームでした!』

菅田将暉
クランクイン前に、岩手県花巻市に行きました。
町の至るところに、宮沢賢治さんの言葉や生きた証が残っていて、その残り香を感じることができました。
ひとりの生き様が約100年後の今なおこれほど土地に影響を与えている。
そして、その言葉や思想、物語は海を渡り世界中に伝わっている。
改めてそんな事を思うと、あまりにも大役で身が引き締まる思いでした。
しかし今回はその家族のお話です。
賢治の父や母、妹、弟、祖父、家族との時間がいかに彼の人生にとって大切であったか。
偉大な作品の裏側を想像すると、ひとりの何者でもない青年にも見えてきました。
役との出会いはいつも不思議な縁を感じますが、今回ほど出会えて良かったと思わされた現場も珍しいように思います。
過不足なく演じることは不可能かもしれませんが、自分なりに宮沢賢治と真摯に向き合わせて頂きました。

森七菜
今回宮沢賢治の妹宮沢トシを演じさせていただくことになりました。森七菜です。「銀河鉄道の夜」や「風の又三郎」など、あの名作たちが生まれた時間を肌で感じることが出来た事は、今後の人生においてもとても貴重で豊かな経験になりました。宮沢賢治作品は国語の教科書などで読んだりもしていたので少し難しく考えてしまっていましたが、そんな若い世代の人にも、宮沢家の暖かく愉快で人間味溢れる時間が描かれたこの作品を通して、より宮沢賢治作品を楽しめるきっかけにもしていただけると思います。

坂井真紀
イチは、「人というものは、人のために何かしてあげるために生まれてきたのです」と、子供たちに言葉をかけていたそうです。母というものはどの時代でも、子供を思う気持ち、家族を思う気持ちは、変わらないものです。イチの心を通して見つめた宮沢家は、暖かくて色鮮やかで愛おしくて、「なるほどな」と頷きながら、宮沢賢治の数々の作品を思い出しました。そして、成島組、役所広司さんとの時間は、私の一生の宝物になりました。

田中泯
銀河の星々はすべて主役だと思うが、賢治の祖父であり政次郎の父でもあった男、喜助の死に到る迄の振る舞いに心込めて没入したのでした。はかり知れない人の一生を映画の画面では数度の登場で皆様に感じ取って頂く、何とも不遜で無謀な存在でしょう。撮影されていない祖父喜助のカラダの余白に思い巡らすことが僕の楽しみではありました。楽しかったぁ〜。ありがとうありがとう!

豊田裕大
宮沢賢治の弟・清六を演じました。
自分の意志を貫き自由に生きる兄に魅了され翻弄されながらも、愛し支えていく宮沢家の一員になれれば、とそんな想いで現場にいました。
また実際に作品に参加してみて、今も昔も家族の本質的な姿は変わらないと実感しました。
それと同時に愛おしく温かい奇跡の連続で、自分は生きているのだと改めて再確認できました。
多くの方にこの映画が届くことを祈っています。

監督 成島出
どんな時代でも、親は子の心配をし、振り回されるものです。それは、国民的作家、宮沢賢治の父にも当てはまりました。門井慶喜さんの原作で描かれている、宮沢賢治の父・政次郎の”父でありすぎる”人物像に魅了されました。そして、ダメ息子だった賢治が、生きる道を見つけ、若くしてその生涯を閉じるまでを、底なしの愛で包み込んだ宮沢家の人々に、普遍的な家族の絆を感じました。
役所広司さんの大らかで人を惹きつける父・政次郎、菅田将暉さんの繊細で透き通ったガラスのような息子・賢治、森七菜さんの賢明ではじけるような輝きを放つ妹・トシに、ご自身の家族や大切な人を想いながら観て頂けたら幸いです。

原作 門井慶喜
子供が親を選べないように、親も子供を選べない。生まれてくるのは天才か、努力家か、それとも生活能力のない夢想家か。
宮沢賢治はそのすべてだった。ありあまるほどの生活能力を持ち、家の将来に全責任を負わなければならない父・政次郎との共感。衝突。その向こうにあるものの輝き。
この世には、親子の数だけ銀河がある。私は今回の映画化をもっとも楽しみにしている者のひとりです。

©2022「銀河鉄道の父」製作委員会